【ぶらり実弾射撃】S&W社の45口径M&P.45をアメリカで撃つ

射撃
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45口径オートマチックピストルと言えば1911ですが!?人気樹脂製ピストルのM&Pにも45口径モデルがあります。

そんなM&P.45をアメリカで撃った話です。

M&P.45とは

M&PはSmith & Wesson社の樹脂製オートマチックピストルで、口径によってモデルが分かれています。

元々は法執行機関向けに、アメリカの法執行機関で広く使われている.40S&W弾を使用するオートマチック式ピストルとしてM&P.40が設計、開発されました。その後、9mmや.45ACP弾が使えるモデルが派生していったわけです。ちなみにM&PはMilitary and Policeを意味します。

グロックが9mm弾使用をベースに作られたのに対してM&Pは.40S&W弾使用を前提に作られたのです。

その後、同じフレームを流用して9mm弾モデルが出ましたが、.45ACP弾についてはフレームが新たに設計されました。

つまりM&P.9とM&P.40のフレーム含めて多くの部品が共有出来ますが、M&P.45に関しては流用出来ません。

本来のデザインではサムセーフティが付いていませんが一般人向けにサムセーフティが付いたモデルも販売されているのです。

M&P.45を撃つ!撃つ!!

2018年のある日ある時、出張でアメリカの某州に来ていた私は顧客との商談を終えてホテルでシャワーを浴びた後にベッドに寝転びながらスマホで「shooting range rental gun near me」と検索すると、車で20分のところにレンタル銃が置いてあるガンショップを見つけた。

早速に着替えて車に乗り込み、今日はガツンと重い45口径の気分だな、と考えながらガンショップに向かう。

45口径というと1911系が王道であるが、ガンショップに着いてレンタル銃を色々見て回ると45口径のM&Pが妙に気になってきた。S&Wの樹脂製ピストルの大ベストセラー、グロックとは異なる洗練された造形美、警察官の相棒であり守護神、そのM&Pが私に「男なら俺を使え」とばかりに訴えてくる。

1911以外で45口径を撃つのも面白い。そう考えた私はM&P.45をレンタルした。このM&Pはフルサイズでサムセーフティが付いたモデルであった。

「で、弾はどうする?」、ガンショップの店員が聞いてくる。

「Two boxesで」

ウイスキーのツーフィンガーを頼むかのように.45ACP弾を2箱、合計100発購入する。

M&P45は.45ACP弾が10発装填出来るだけあってグリップが太い。1911のような細いグリップに慣れていると非常に太く感じる。
手のひらが大きくないとしっかりと銃をホールドするには最初はコツがいるかも知れない。

弾の箱を無造作にバリバリバリっと破いて中の.45ACP弾を取り出す。マガジンを左手に持ち、右手に幾つかの弾を持って親指で一つ一つ弾を詰めていく。

か、固い。。。

M&P45のマガジン装弾数は10発であるが中のスプリングがヘタっているのか装填が非常にキツくて9発までが限界であった。

まあ1発くらい少なくても大して変わらない。ターゲットを10ヤード付近に置いて、左手でマガジンを銃に装填、右手で銃を持ったまま銃口を前に向けてスライドリリースレバーを親指で押してスライドを前進させる。

ガシャ!

スライドが勢いよく前進して弾を薬室に送り込む。

ゆっくりと右手で銃をターゲット中心に向けて、サポートハンドの左手を手のひらをグリップとフレームにしっかりと密着させてから右手を覆うようにして構える。

トリガーをゆっくりと引いてトリガーセーフティを解除、そのまま引き続けてファイアリングピン(撃針)が前進するタイミングを把握しながら撃つ!

激しい発射音と共に銃が跳ね上がる。ガツンとくるリコイルはまさに男の45口径だ!?しっかりとグリップしていないと跳ね上がった時に左手のサポートハンドが緩むので次弾を撃つ時に再度サポートハンドを密着させなければならない。

トリガーリセットのタイミングを把握した後にテンポ良く打ち続けていくが急に弾が出なくなった。

不発か?!

こんな時は不発弾がいつ発射するか分からないのでしばらく銃口をターゲットに向けたままにする。スライドを引いて薬室を確認すると弾が装填されていなかった。

はてさて?

再度マガジンに弾込めして撃つも最後は必ず空撃ちになる。つまり、この銃、使い古されて動作が悪く撃ち終わった後のスライドストップが全く効かないのであった。

スライドストップしないことを除けば、撃ち続けていて楽しい銃であった。1911と同様にハイグリップ気味に構えることが出来るのでリコイルも比較的コントロールしやすく射撃性も良い。

法執行機関に採用されているだけあって信頼性、射撃精度は高いというM&Pのが一般的な評価であるが、もちろん射撃精度は人の腕によるのでバカスカとターゲットのど真ん中に当たるかは練習次第である。

私の癖でいつも治らないが着弾は左下気味に集中した。また弾が空になってもスライドストップしなかったためトリガーを引き続けてしまったが、おかげでガク引きだったことも判明した。本記事最後に動画を載せているが最終弾後にガク引きしていることがよくわかる。

撃った感想

100発撃っただけでM&P.45のまともな評価なんて出来ないがスライド近くまでハイグリップ出来る点は高評価だ。つまりスライドが後退する動線近くまでグリップ出来るので、発射時に銃が真っ直ぐ後ろ方向にリコイルする。これがローグリップになるとスライドとグリップとの距離が離れているので、極端に言うと銃がグリップを支点に後ろ方向に回転してしまい銃口が後ろ向きに大きく跳ね上がる。

樹脂製グリップのグリップ性も良いが1911と比べると厚みがあって太いので慣れていないと最初は撃ちにくさを感じるかも知れない。

個人的にはグリップが太めの樹脂製ピストルで装弾数10発は少ない。8発装填マガジンの1911と2発しか変わらないが、2発も多いと捉えるかは人それぞれだろう。私は2発しか変わらないなら、グリップが細めで銃をホールドしやすい1911に軍配が上がる。だがM&Pはサードパーティ製のハイキャパシティマガジンが出ているので標準マガジンにこだわる必要がなければ装弾数は増やすことは出来る。

口径にこだわりがなく、かつ標準マガジンでの装弾数にこだわるなら、M&P9やGlock17などの9mm弾使用の樹脂製ピストルも良いであろう。

要はM&P45はM&Pシリーズが好きで45口径も好き、という人向きの銃なのだ。

※ 本記事は管理人が以前運営していた「GUN雑誌DIGEST」に掲載していた記事を加筆、修正したものとなります。

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