アメリカに駐在が決まったらまずは家探しです。駐在先の会社が探してくれて契約まで手配してくれるのであれば楽ですが、自分自身で一から探して契約まで終えなければならないとなると初めての駐在員にとっては大変です。
私もアメリカ駐在時に一から自分で探して住居契約したことがありますので、その経験を踏まえてこれから駐在する方が参考になるようなアドバイスしたいと思います。
この記事ではアメリカ ヒューストンを参考例として解説していきたいと思います。
周辺地域を知る
アメリカは地域によって治安がまったく変わります!
道路を隔てただけでもかなり変わりますので住みたい地域の治安状況などは必ず最初に確認したほうがいいでしょう。
犯罪マップ
アメリカでは不動産関係ウエブサイトを利用して犯罪が多い地域を調べることができます。
例えば、Neighborhood Scoutというウエブサイト、犯罪が発生した地域を色別で分けて表示します。
The leading all-in-one real estate market data platform in the USA – NeighborhoodScout
↓ 使い方 ※画像スクリーンショットは載せていません
Neighborhood Scoutというウエブサイトで説明します。スクリーンショットは載せていないので実際にウエブサイトを開きながら読んでくださいね。
1.トップ画面からREPORTSを選択して、検索ウインドウに調べたい地域を入力してEnterキーを押すか、SCOUT ITをクリックします。
2.地図が表示されるので、CRIMEを選択すると、青色で地図が色分けされます。濃い色で表示されるほど犯罪件数が多い地域です。
3.表示された画面を下にスクロールすると犯罪指数(Crime Index)や簡易的な犯罪データを見ることができます。
4.画面を下にスクロールしていくと犯罪に関する様々なデータを閲覧出来るので便利です。
さらに検索した市内の詳細な地域のデータについて知りたいとなると有料となりますが、お金をかけなくても十分治安について確認することができます。CRIMEで表示された地図で色が淡い地域で住宅を探せば安全かと思います。
人口分布
人口分布も参考になります。例えば、Stastical Atlasというウエブサイトでは、人口、人種、雇用、産業といった人口統計データを確認することができます。
The Demographic Statistical Atlas of the United States – Statistical Atlas
↓使い方 ※画像スクリーンショットは載せていません
スクリーンショットは載せていないので実際にウエブサイトを開きながら読んでくださいね。
1.トップ画面に表示された調べたい州を地図上でクリックします。
2.検索した都市の地図が表示されます。次に画面右側のRace and Ethnicity をクリックします。
3.すると、人口調査の結果が表示されます。
4.さらに画面を下にスクロールしていくと、人種別に色分けされた地図を見ることができます。「白人」、「ヒスパニック」、「黒人」、「アジア系」、「混血」、「その他」を選択することで人種を変更できます。
周辺地域を知るという意味では参考になるかと思います。
住みやすさ
犯罪が少なくても住みにくい地域はあります。これもネットで住みやすさを調べてみましょう。人によって住みやすさの定義は異なりますが、住宅探しには参考になると思います。
Area Vibesというウエブサイトでは米国とカナダの住みやすさを調べることができます。
Best Places to Live In the US & Canada (areavibes.com)
↓使い方 ※画像スクリーンショットは載せていません
スクリーンショットは載せていないので実際にウエブサイトを開きながら読んでくださいね。
1.Livabilityの検索ウインドウで調べたい都市を入力します。
2.検索した都市の地図が表示されます。地図内に表示された地域をクリックします。
3.選択した地域の詳細画面が表示されますので、Livabilityをクリックします。
4.その地域の住みやすさが一目でわかる表が出てきます。Cost of Living (生活費)やSchools(学校教育レベル)なども分かりますので家族帯同で駐在の方は気になるところでしょう。
先に調査した犯罪マップで治安がよい地域を中心に住みやすさを調べて、自分にあった地域を探していきましょう。
学校を調べる
家族帯同の駐在で子供が現地校に通うとなると、その地域の学校教育水準が心配になります。アメリカは日本と異なり、公立校とはいえ地域毎に教育内容、水準が異なります。一般的に世帯収入の多い地域は学校水準が高い傾向にあると思います。
例えば、Nicheというウエブサイトで学校とその地域の犯罪度、生活度などを調べることができます。
Find the School that Fits You Best – Niche
↓使い方 ※画像スクリーンショットは載せていません
スクリーンショットは載せていないので実際にウエブサイトを開きながら読んでくださいね。
1.トップ画面で学校種類を選択します(例えばK-12 Schoolsなど)。
2.画面上の検索ウインドウに調べたい地域を入力します。例えば、Find欄にKaty、In欄でHoustonを入力してみると、学校一覧が表示されます。
3.Best SchoolsやBest teachersを選択することで一覧を更新できます。
4.表示された学校をクリックすると、その学校の詳細データが表示されます。その画面では暮らしやすさや犯罪度など周辺地域のデータも分かるので便利です。
子供のために良い学校を見つけましょう!
家を見つける
犯罪が少なく、住みやすく、学校水準もよい地域が見つかったら、ようやく家探しです。
間取りを知る
アメリカでは日本のように1LDKや3LDKのような呼び方はしません。
- Studio:
ワンルームですがベッドが1台ということではなく2台など置ける場合もあります。ベッドルームの仕切りのない部屋です。
家族帯同しないで駐在の場合はStudioで十分かと思います。また、子供がいなく夫婦のみで駐在される方にも向いているかと思います。 - One Bedroom:
ワンルームではなく寝室が1部屋でたいていはキッチン、ダイニング、リビングルームなども付いています。
家族帯同しない駐在員や、子供がいなく夫婦のみで駐在される方に向いているかと思います。 - Two Bedroom:
寝室が2部屋でキッチン、ダイニング、リビングルームが付いています。
家族帯同駐在員向けで、子供の年齢にもよりますが家族人数4人くらいであれば十分だと思います。 - Three Bedroom:
寝室が3つです。家族人数が5人など多ければ3ベッドルームは必要かと思います。
家族帯同駐在員向けで、家族人数が4人でも、大きい子供が2人で自分の部屋が欲しい、という場合にも向いています。
平均賃料を調べる
希望の間取りと住みたい地域を絞ったらその地域の平均賃料を確認することで大体の予算が分かります。また、見つけた物件の賃貸を会社から承認を得る時にも参考資料として提出することも出来ます。
あなたの会社で既に駐在員住宅賃料の規定があるのであれば、その規定内で探すことになると思いますが平均賃料を知っておくことは物件探しの参考になるはずです。
Studio、1 ベットルーム、2 ベットルーム平均賃料
その地域の平均賃料が分かる不動産サイトもあります。例えば、Rentという不動産サイトでは、地域を入力すれば賃料傾向が分かります。
Rent. Find your next place | Apartments and Houses for Rent.
↓使い方 ※画像スクリーンショットは載せていません
スクリーンショットは載せていないので実際にウエブサイトを開きながら読んでくださいね。
1.トップ画面で調べたい地域を入力します(例えば、Katy, TXなど)。
2.表示された画面の上部メニューでMarket Trendsをクリックします。
3.Studio、1 Bed、2 Bedsの平均賃料が表示されますので、この平均賃料を参考に探すと良いでしょう。また、あなたの会社から探した家の賃料が高いのでは?と言われた時にも、賃料妥当性を証明する資料にも使えます。
3ベットルーム平均賃料
前述のウエブサイトではThree Bedsの平均賃料がありませんでしたが、例えば下記ウエブサイトでも確認できます。
Cost of Living (numbeo.com)
↓使い方 ※画像スクリーンショットは載せていません
スクリーンショットは載せていないので実際にウエブサイトを開きながら読んでくださいね。
1.ウエブサイトの検索ウインドウに調べたい地域を入力します。
2.Cost of Living (生活費)のページが表示されますので、下にスクロールしていくとRent Per Monthが見つかります。そこで1Bedと3 Bedsの平均賃料が分かります。
このウエブサイトでは生活費の平均価格も分かるので便利です。
不動産検索ウエブサイトで探す
アメリカには多くの不動産検索サービスのウエブサイトがあります。今まで調べた情報を基にベストな賃貸物件をじっくりと探しましょう。
代表的なものは下記となります。物件をリスト表示と地図表示で閲覧できるので非常に使い勝手がいいです。ただし、私も使ったウエブサイトですが自己責任でご利用ください。
- Zillow
Zillow: Real Estate, Apartments, Mortgages & Home Values - Realtor
realtor.com® | Homes for Sale, Apartments & Houses for Rent - Trulia
Rental Listings in Your Neighborhood | Trulia.com
賃貸申し込み
たいていは下記の流れとなると思います。物件の申し込みにもいくらかの費用が掛かり、仮に駄目だったとしてもお金は戻ってきません。
- 入居したい物件を扱っている代理人、管理会社に内見予約をする。たいていの場合、不動産検索ウエブから申し込みができます。
- 内見後に申込金を支払い仮押さえします。
- 必要であれば、信用調査(支払い履歴の調査など)を受けるために費用を支払います(大体$75 ~ $100程度だったりします)。
信用調査でNGだった場合、賃貸リース契約は不可能です。その場合、申込金は返金はされません。
駐在員で現地アメリカのクレジットヒストリーがなければ、収入を証明する何らかの資料の提出を求められる場合もあります。
ここらへんは大家次第です。 - 賃貸リース契約の詳細内容を確認します。大家との面接がある場合もありますが、これも大家次第です。
- 賃貸契約を締結します。
- 入居開始日までにテナント保険に加入して大家に提出します。
- ようやく引っ越しです。
注意点
- 物件の申し込みにもいくらかの費用(信用調査など)が掛かり、仮に駄目だったとしてもお金は戻ってきません。
- 法人契約しなければならないのか、個人契約でもいいのか、事前にあなたの会社に確認しておきましょう。賃貸物件によっては法人契約ができないものもあります。
- 賃貸物件の大家が企業(例えば開発業者)とは限りません。個人で貸している物件も多くあります。その場合、その個人大家と賃貸リース契約を結びますので契約内容については十分に確認しましょう。
- アメリカの場合、家賃は年毎や契約更新毎に上がっていきます。長く住めば住むほど賃料が上がる傾向にあります。
海外引越で日本に荷物を置いておきたい場合
海外駐在であればいずれまた日本に戻ってきます。海外に持っていかないで日本に置いておきたいものも出てくるかと思います。
持ち家やマンションをそのまま残すのであれば荷物もそのまま置いておくことが出来ますが、賃貸の場合であれば保管する場所を探さなくてはなりません。
海外駐在で引っ越しの場合、実家があれば頼み込んで置いてもらうか、安いトランクルームを借りて置いていくのが一般的だと思います。
ただ、海外引越前は銀行や役所での手続き、引っ越し準備など忙しくなりますので、荷物をトランクルームに持っていく暇すら見つけにくいかと思います。また、安い郊外でトランクルームを探しても、そこまで持っていったり、帰国後に戻したりするのが大変です。保管する量が多ければなおさらです。
例えば、クロネコヤマトが提供している宅配型サービスの宅トラであれば、わざわざ荷物を自分で保管しに行く必要もないので便利です。また、帰国して新居を見つけたら、持ってきてもらうことが出来ます。
まとめ
駐在が決まったら、下記のような流れで住居を見つけましょう。
- 駐在する都市の治安、住みやすさ、教育レベルを調べて、住む地域を決める。
この段階での調査が非常に重要です。借りた後に周辺状況が悪いことに気が付いて、すぐに引っ越さなければならないような事態を避けましょう。 - 住む地域の平均賃料を調べる。
会社に対しても賃料妥当性を証明することにも使えます。 - 借りたい家の間取りを決める。
家族人数に応じて決めます。 - 不動産検索ウエブサイトで家を探す。
住む地域と調べて平均賃料を参考に探します。 - 内見する
- 賃貸の申し込みをおこなう。
- 信用調査や、大家が要求する情報(収入保証書類など)などを提出する
- 賃貸契約を行う
- 入居日までにテナント保険に加入して大家に提出する
住居を見つけるのは大変でストレスを感じるかも知れませんが、後悔しない物件を探せば、あなたも家族も駐在生活が楽で楽しい!?ものになりますので是非とも頑張ってください。
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