アメリカで運転する!初めての運転で気を付けるアメリカの交通事情。

海外営業
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アメリカに出張すればレンタカー、駐在すれば車を所有して運転することになると思います。海外営業員としてアメリカを数えきれないほど訪問してレンタカーを運転し、また駐在員としてもアメリカで車を日常的に使用した私の経験を含めて、アメリカで運転する時の交通事情や注意点ををお伝えしたいと思います。

アメリカ出張が決まりました。

レンタカーで移動します

まずは事故らないでください!

日本と異なり、アメリカでは右側通行です。

車は左ハンドルで、右車線を走りますので気を付けてください

アメリカ交通事情

交通事故が多い

交通事故が非常に多いです!私の地域(南部の都市)では一週間に1,2回は必ず事故で止まっている車を見かけます。私の個人的な印象では主に追突が多い印象です。

日本の内閣府が毎年交通安全白書を公開していますが、2023年6月時点で最新版「令和5年版交通安全白書 (cao.go.jp)」付録によりますと、アメリカの死亡事故は断トツでトップを独走!?しています。人口10万当たりの死亡者数は12.9人という結果で、2番目に悪いニュージーランドでも約半数の6.2人です。

出典:内閣府 「令和5年版交通安全白書」付録
出典:内閣府 「令和5年版交通安全白書」付録

また、同様のデータとなりますが、アメリカ合衆国運輸省の統計データ(2021年)によりますと、42,939人が2021年に交通事故で亡くなっています。

There were 42,939 people killed in motor vehicle traffic crashes on U.S. roadways during 2021. This is the largest number of fatalities since 2005. It also represents a 10-percent increase from 39,007 fatalities in 2020, or 3,932 more people killed in traffic crashes in 2021. The fatality rate per 100 million vehicle miles traveled (VMT) increased by 2.2 percent from 1.34 in 2020 to 1.37 in 2021. The estimated number of people injured on our roadways increased in 2021 to 2.50 million, rising from 2.28 million in 2020, a statistically significant increase of 9.4 percent. The injury rate per 100 million VMT increased by 1.3 percent from 79 in 2020 to 80 in 2021. The estimated number of police-reported traffic crashes increased from 5.25 million in 2020 to 6.10 million in 2021, a statistically significant 16-percent increase.

“Overview of Motor Vehicle Traffic Crashes in 2021”, Department of Transportation

死亡事故以外のデータについては、収集していないのか、多すぎて出来ないのか分かりませんが、警察推定によりますと、2021年で約610万件となっています。ということは、人口10万人当たり、6100件となります。ちなみに日本は2021年で約30万件、人口10万人当たり、2.09人ですのでアメリカの交通事故がいかに多いかが分かると思います。

走行速度、距離はマイル表示

アメリカでは速度、距離をマイルで表示します。お隣のカナダは「キロ」を使っているのに何故アメリカではマイルなのでしょうか、不思議です。ちなみに1マイルは約1.6キロです。

当然、アメリカで走っている車の速度計もマイル表示ですので運転時にはキロと混乱しないように注意してください。

右側の速度計はマイル表示である。決してこの車の最高速度が120キロというわけではない。

一般道に多い制限速度では時速35マイルで約56キロ、時速45マイルで約72キロで、ハイウエイに多い制限速度では時速60マイルで約96キロ、時速70マイルで約112キロです。

メジャーリーグでも球速はマイルで表示していますね。ちなみに球速100マイルが約160キロです。

車間距離を取らない

とにかく車間距離を取らない車が異常に多い!

ハイウエイで制限速度 時速70マイル(約112キロ)の場合、だいたい+10マイルくらいで走る車も多く、その場合時速80マイル(約128キロ)となります。

そしてその速度で車間距離を開けずに数珠繋ぎで走る車が多い、多い!さらに、時速80マイルを超えて走る車が車線変更を繰り返して追い越しするものだから、さらに危ない!

同乗者に撮影してもらった写真。左前方の車は時速80マイル(128キロ)以上でも車間距離を取らない。
これが当たり前の状況だ。

また、法定速度を超えて走っていて、かつ追い越し車線にいなくても、後ろの車から煽られるかのように車間距離を詰められることが多いです。

70マイル(約112キロ)以上の速度でも数珠繋ぎに走る車は多い。1台でも急ブレーキをかけたらアウトだ。

追い越しを逆からする車が多い

アメリカの場合、追い越し車線は左側にあり、左から追い越すルールです。しかしながら、追い越しし車線が開いているにも関わらず、右から追い越す車も多いです。

恐らくは追い越し車線だとパトカーに捕まりやすい、という心理が働いているのか、追い越し車線ではなく右側車線で追い越しを繰り返す車が多いです(州や地域によると思いますが)。

右側からの追い越しはよくある。本来は左側から追い越しが正しい。

車線変更がギリギリ、複数車線を一気にまたぐ

車線変更をギリギリのタイミングでおこなったり、複数車線をまたぐ車線変更する車も多く見かけます。

怖いのは、ハイウエイ出口の数十メートル手前から、右車線に車がいるにも関わらず一気に2車線変更して出口に向かう車です。運転していて目の前に突然猛スピードで斜めに横切られることがたまにあります。

また、わざわざ私の車を左車線から追い越しておいて、いきなり、私の車の前を猛スピードで2車線斜めに横切って出口に向かう車もありました。私の右側車線(ハイウエイ出口に向かう車線)は空いていたのに、なぜわざわざ追い越した!

ハイウエイでは、常にバックミラー、ルームミラーで後ろと横を確認したほうがよいと思います。

運転技術に自信があるのか、馬鹿なのか。。。

ウインカーが当てにならない

ウインカーを出さないで曲がる車が多い!

そして、ウインカーを出しても曲がらない場合がある!

さらに、ウインカーを逆に出したまま走るは、曲がる!

なので私は相手がウインカーを出してもあまり信用していません。私が右折するときに、左から車が来ていて、ウインカーで右に曲がる合図(私がいる道に曲がる)を出したので、車を走らせようとしたら、そのまま直進されたことが何回もあります。

右折するウインカーを出しているので右に曲がろうとすると。。。
ウインカーを付けたまま直進してきた。危うくぶつかるところであった。

主な交通ルール

州によって交通ルールは異なりますが、基本的には大きくは変わらないと思います。
※ 念のために書きますが、アメリカでは右側通行ですので車は左ハンドルで、右車線を走りますよ!

  • 赤信号でも右折可能。しかし右折禁止の表示がある場合は不可(都市中心部に多い)。
  • 日本にはありませんが、全方向の一時停止「All Way Stop」があります。先に止まった車から順に進みますので順番を覚えておいてください。

初めてアメリカで運転したとき、ずーっと自分だけが一時停止だと思って、ずーっと止まってしまいました。

  • 左折の矢印が赤の場合は不可、黄色は対向車が来なければ良し、青は左折可です。

矢印表示なので赤矢印でも進んでいいのかと勘違いして左折してしまったことがあります。

パトカーに止められた場合

パトカーが後ろについて、パトライトをピカピカされたら、車線外に出て止まりましょう。

サイレンを鳴らされないケースも多いです。

この時に手をハンドルにおいて動かないこと!

警官がくるまで動かないこと!

いつまでも警官が下りて来なくても動かないこと!

不審な動きをすると銃を突きつけられる可能性があります。免許証提示を求められたらゆっくりと出しましょう。

パトカーの車体色は州、地域によって異なる。日本でおなじみの白黒は少ない気がします。

緊急車両が通る時

緊急車両のサイレンが聞こえたら、窓を開けてどこから緊急車両がくるのか確認してください。

交差点を避けて車道の端に車を寄せ、停止して、対向車線にいても、中央分離帯がなければ緊急車両が逆走してくる場合もあるのでとまってください。

逆走もあれば、Uターン、すり抜けも結構な速度で走ってくるので注意が必要です。

スクールバス

スクールバスに遭遇した場合は、速度を落とし、適切な速度で運転してください。スクールバスが停止したら必ず止まってください。追い越しは絶対にダメです。違反点数も一番高いです。

スクールバスが止まる時には赤ランプが点滅して、スクールバスが停止すると右側から「STOP」プレートが出てきます(スクールバスによると思いますが)。州によっては、バスから特定の距離で停止することが義務付けられているようです。

ライトの点滅が終われば再び走ることが出来ますが、子供たちがスクールバスの前、後ろ、または横を歩いている可能性があるため、周囲を十分に確認してください。

片側2車線で対向車線にスクールバスが止まった場合も止まってください。ただし、中央分離帯がある場合は止まる必要はありませんが州や地域にも寄りますので詳しくは運転する州の交通規則を調べてみてください。

ガソリンスタンド

ガソリンの単位はガロンです。日本でおなじみのリッターではなくガロンです。ちなみに1ガロンは3.785リットルです。

アメリカでは基本的にセルフ給油です。いくつかの州では例外がありますので事前に確認してください。

ガソリン計量機の前に車を止める

ガソリン計量機は、アメリカではGasoline pumpもしくはFuel dispenserと言いますが、簡単にPumpと言えば十分通じます。

米国のガソリンスタンドでガソリンを給油するには、計量機の給油ノズルが車の給油口の近くになるよう止めてください。

そして、給油する前に必ず車のエンジンを止めてください。

支払い

基本的に前払いです。

計量機にクレジットカードやデビットカードを差し込みます。計量機でカードが受け付けない場合(外国発行のカードが使えない場合は多い)や現金で支払いたい場合は、店に行って現金やカードで前払いをします。この時、計量機の番号を伝えてください。

$40 on number 4 (4番の計量機で$40)」などと言って現金やカードで支払えばOKです。

「前払い」って満タンにするにはいくら払えばいいのか分からないよ!と思われるかもしれませんね。その時は多めに払っておけば大丈夫です、支払った額に達しなければ返金してもらえます。
クレジットカードの場合は実際の費用が請求されてきます。

現金で支払った場合は、おつりを貰いましょう。
Change on number 4, please (4番の計量機のおつりをください)

ガソリン種を選択する

アメリカレギュラーガソリンとプレミアムガソリンがありますが違いはオクタン価です。日本でのハイオクは米国ではプレミアムだと思っていただいても問題はないと思います。

ほとんどの州でレギュラー ガソリンのオクタン価は 87 ですが、プレミアム ガソリンのオクタン価は 91 または 93 です。

推奨されるガソリンの種類については、車のオーナーズマニュアルを確認してみてください。一般に、ほとんどのエンジンにはオクタン価 87 のレギュラーガソリンが適していますが、一部の高出力エンジンにはより高いオクタン価 (91 ~ 94) のプレミアムガソリンが必要です。

自動車メーカーが推奨するオクタン価よりも低いオクタン価のガソリンを使用すると、性能が低下し、時間の経過とともに損傷が発生する可能性がありますのでご注意ください。

給油する

計量機に給油ノズルが付いていますので、その給油ノズルを取ると、給油できるようになります。給油ノズルが乗っていたレバーを下げないと給油できない場合もありますので注意ください。

この写真の計量機は給油ノズルを取った後にレバーを下げなければ給油できない。

給油ノズルを車の給油口に差し込み、給油ノズルのトリガーをゆっくりと引き、ガソリンがホースから燃料タンクに流れ出るようにします。

ほとんどのポンプでは、給油ノズルのトリガーをロックすることが出来るので、手を放してもガソリンを流し込むことが出来ます。

満タンになれば給油は勝手に止まります。給油ノズルを元通りに計量機に戻してください。

計量機で支払ったのであれば、レシートが出てきます。紙切れで出てこないことがよくありますが、どうしてもレシートが欲しい(例えば、出張精算に使用するなど)場合は、お店のカウンターに行けばレシートがもらえます。

Receipt on number 4, please (4番の計量機のレシートください)」と言えば通じます。

自動車保険

アメリカで運転するには自動車保険加入は義務つけられています。レンタカーであれば、レンタカーを借りる時に保険を必ず購入してください(大抵はオプションとして付けることになります)。

自動車保険には対人・対物無制限補償がない

日本の任意保険では対人・対物無制限の補償が一般的ですが、アメリカでは事故が多すぎるので無制限補償はありません!でないと、保険会社が破産してしまいます。

一般的な補償金額はせいぜい、数十万ドル、日本円にして数千万が一般的です。補償金額を$1Mにすることも出来ますが、保険料がバカ高くなります(それでいて無制限ではない)。

ですので、深刻な事故を起こしてして責任があなたにある場合、破産してしまう可能性もあります。

駐在員でアメリカに住むのであれば、住宅と一緒にアンブレラ保険を掛けることをお勧めします。アンブレラ保険であれば$1Mから$2M程度の補償を得ることが出来ます。それでも無制限補償はありませんのでご注意ください。

訴訟大国アメリカ!

事故を起こすと、相手に非があっても弁護士を通じて訴えてくるケースもあります。また、交通事故専門とした弁護士がうじゃうじゃといて、ハイエナのように稼ぐ機会を狙っています。

ハイウエイを走っていると、やたら弁護士の看板を目にしますが、それだけ交通事故訴訟がビジネスになっているのでしょう。

私の知り合いでも、一時停止を無視した車に横からぶつけられて、相手が完全に悪いにも関わらず、悪いと思わない相手から訴えられたことがあります。このように自分が悪いのに悪くないと本気で考えている人もいますので注意が必要です。

無保険運転者も多い

無保険で運転する人が多いのが現実です。もちろん違法ですが、様々な理由で保険を付保せずに乗る人も多いのがアメリカです!

無保険者の車と事故を起こした場合、相手が悪くても保険請求をすることが出来ず、修理や治療費用は自腹となるケースがあります。

いやいや、相手が悪いんだから、保険がなくても払うべきでしょ!と思うかも知れませんが、そもそも無保険で乗る時点で相手は保険料すら払えないケースがほとんどです。ですので、そもそもお金がないのです。お金がない相手にいくら請求しても相手はお金は払えません。

そのため、事故の相手が無保険者であった場合に備えての保険プランもあります。もちろん高額となりますが、心配であれば付保するのもよいでしょう。

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