お客様は意外にあなたの靴を見ています。
あなたが履いている靴が汚れているか、状況に適した革靴なのか、綺麗に磨かれているのか、チェックされている可能性もあります。実際、靴に私も相手の靴を知らずと見てしまいます。
成功する営業員はピカピカに磨いた革靴を履いてお客様を訪問します。
そして、お客様は営業員が履いているピカピカの綺麗な革靴を見ると、この営業員は出来る人だ、と認めるのです。
お客様に認めてもらうためにも、「営業員たるもの身なりに気をつかうべし!」ということで今回は革靴についてお話します。
正直なところ合成革でも構わないのですがやはり見た目や照り加減など見る人が見れば本革ではないとすぐにバレてしまいます。
まあ、正直なところバレて困る、商談が成立しないということはないのですが、一流の営業員を目指すならきちんとした革靴を履くことをお勧めします。
例えスーツやジャケットが安物でも靴はしっかりしたものを選ぶべきだと思います。
革靴の魅力
本革は磨けば磨くほど味が出てきます。
合成革では味わえない「磨く」という行為によって、革に味わいが出てきます。
道具を揃えて靴を磨いて自分だけの味わいを出していく、そして年月と共に革に味わいが出てくると思います。
ブラシで埃や汚れを取って、
靴クリームを塗って、
つま先にワックスを塗って、
ブラシや布で磨くと、
革が生きているかのように生気を取り戻して、
後は、ピカピカになった靴を目の前に置いて、
至福の時を楽しむ、
それが革靴の大きな魅力の一つで、多くの人を虜にしているのだ、と私は思っています。
ビジネスで革靴を履く理由
革靴と言っても、何でもいいわけではありません。革靴は革靴でもカジュアルな革靴では全くビジネスでは使えません。
ドレスシューズ(またはドレス靴)と呼ばれる革靴でなければなりません。
では何故ビジネスの場ではドレスシューズを履かなければならないのでしょうか?
それは、ドレスシューズはフォーマルな靴と見られているからです。
フォーマルとカジュアルに分けた場合、ビジネスではどちらが適していますか?もちろん、カジュアルではありませんね?ということで、ビジネスではフォーマルな場で履く靴が適しているわけです。
つまり、社内や身内ではない対外的な場、すなわち会社対会社(B to B)、会社対個人(B to C)はフォーマルな場となります。そのフォーマルな場で履くべき靴は、フォーマルな靴でなければならないわけです。
礼儀やマナーと一緒です。社会人たるもの、礼儀やマナーには一番気を付けなければなりません。ましてや、営業員にとっては当たり前です。
そのフォーマルな靴が何であるかというと、ずばり、ドレスシューズとなるのです。
ですので、営業員はドレスシューズを履くべきなのです。
ドレスシューズを持っていなければ、ビジネスパーソンの必須アイテムとして、今すぐに買ったほうがいいと思います。
最初は安物でも見た目が綺麗で全く構いません。もしくは最初から高級なドレスシューズを買っても構いません。高級なドレスシューズであればソール交換も出来る靴が多いので、適切なメンテナンスをすることにより長く履き続けることが出来ます。
見た目が綺麗なドレスシューズを履いて営業に行くだけで自分の営業レベルが1段階上がった気がすると思います。また、一生モノのドレスシューズを持つことで、1流の営業員になった気もします。
勘違いでも何でも自分のレベルが上がったと感じることが大切なのです。
自己肯定感を感じることが重要なのです。自己肯定感を感じれば、モチベーションも上がり、営業活動にも良い影響を与えます。
営業活動に良い影響があれば、さらに自己肯定感が増して、自分自身への自信が付いてきます。
自信があればあるほど営業活動が楽しくなり、また成功者の必須思考であるポジティブ思考につながり、すべてが好循環になっていくと思います。
つまり、ドレスシューズは成功への最初の一歩なのです。
ドレスシューズのフォーマル度
ドレスシューズと言っても種類があります。
シチュエーションによっては適している、適していない靴がありますので購入前には是非とも覚えておいたほうがいいでしょう。
靴のフォーマル度は下記の順番となります。左側がフォーマル度が高くなります。
- 黒 > 茶
- オックスフォードシューズ (内羽根式) > ダービーシューズ (外羽根式)> スリップオン
- ストレートチップ > プレーントゥ/ウイングチップ
内羽根式とは紐を通す部分が内側で、外羽根式とは紐を通す部分が外側にある靴です。
内羽根式はオックスフォードシューズと欧米では呼ばれます。
過去記事でも解説していますのでご参照ください。
また、一流の海外営業員を目指すのであれば、ビジネスファッションに関する本を読むこともお勧めします。
「一流に見える服装術」(たかぎ こういち著)はスーツから靴までフォーマル度やビジネスシーンに合わせた服装を分かりやすく解説していて非常に役に立ちましたのでお勧めです。
ビジネスファッションに全く詳しくない方でも、この本の内容通りにスーツや靴を選べば全く問題ないでしょう。
主なドレスシューズの種類
オックスフォードシューズ(内羽式靴)
お勧めはどのシチュエーションにも使える黒のオックスフォードシューズです。通常の営業訪問、顧客重役との会議から冠婚葬祭にも使えます。
海外営業員であれば英語で覚えておきましょう。英語ではOxford Shoesです。
フォーマル度から行くと、「ストレートチップ → プレーントゥ/ウイングチップ」ですので、最初の靴はストレートチップをお勧めします。
↓ また、フォーマル度を落とした靴であればオックスフォードシューズの茶系もお勧めです。下記写真はストレートチップですが、プレーントゥ/ウイングチップでもいいでしょう。
ダービーシューズ(外羽根式)
外羽根式とは紐を通す部分が外側にある靴ですが、フォーマル度ではオックスフォードシューズより1ランク下がります。
海外営業員であれば英語で覚えておきましょう。英語ではDerby shoesです。
日常的な通勤やフォーマル度を落としたい時にお勧めします。また、ビジネスカジュアルとして履くなら茶系でウイングチップはお洒落だと思います。
スリップオン、ローファー
スリップオンとは靴紐がなく、足を滑り込ませるだけで履ける靴です。ローファーもスリップオンの類となります。
メリットは、何といっても履くのが楽!!
デメリットはフォーマル度がかなり下がります。
でレスシューズとしては、靴紐がないとフォーマルとしては相応しくないようで、顧客訪問や大事な会議には向かない靴だと思います。
ただし、ビジネスカジュアルな場や日常的にも履ける靴ですので持っていると重宝します。
デザイン、装飾
今まで記事内に出てきたストレートチップ、ウイングチップやメダリオンって何?と思われるかも知れません。説明が遅くなりましたが、これらは靴のデザインや装飾のことです。
ストレートチップとは、靴のつま先の皮の切り返し部分が真っ直ぐになったもので、カップトゥとも呼ばれます。
このストレートチップが一番格式が高く、ビジネスにおいてフォーマル度では最高位です。
プレーントゥとは、靴のつま先(Toe)がプレーン(Plain)、つまり何も施されていないものになります。
ウイングチップとは、ストレートチップのようにWの文字のような装飾でWing(羽)に見えることからWingtipと呼ばれます。つまり、つま先の皮の切り返し部分が、翼のような形になったものです。
メダリオン(Medallion)とは、つま先に模様が刻印されたものです。フォーマル度は低くなりますが、お洒落に見えるでしょう。
靴底(ソール)
靴底(ソール)には革底、ゴム底がありますので、自分に合った靴底を選択してみてください。
革底
一般的に革底のほうが値段が高い靴が多く、高級度は高いと思います。
メリットとして、通気性に優れていますが、反面、雨や水には非常に弱いです。長時間、雨や水に濡れると革なので水が次第に浸透して足が濡れてしまいます。また、革なので底のすり減りは早いです。
それでも、歩きやすさ、疲れにくさは革底が勝ると思います。もちろん、人にもよりますが、革底のほうがゴム底に比べて柔らかいのでクッションの役割をしているのだと思います。
革底とは言え、踵部分にはゴムを使用する靴は多く、踵含めた完全な革底は稀です。ですので、踵の減りは通常のゴム底と大して変わらないかもしれません。ただし、踵の半分を革、半分をゴム、もしくは一部のみゴムにしている靴もありますので、注意が必要です。
はっきり言って、革底のつま先はすぐに減ります。購入してから目に見えて減っていきます。歩く時の接地面が削れるまですぐに減っていきますが、接地面がなくなれば減りは緩やかになっていきますので安心してください。とは言え、歩き方にも寄りますが。。。
つま先の減りを抑えるために、靴底のつま先箇所にトゥプレート (Toe Plate)を付けるのも手です。金属のプレートをつま先につければ、革自体の減りを避けることが出来ます。
通常は靴屋に依頼してトゥプレートを付けますが、革底の一部を削り取り、その削り取った箇所にトゥプレートを埋め込むことになります。高級な革底を削り取るのが嫌な方にはお勧めできません。
デメリットとしては、革底に釘で金属プレートを打ち込むため、革靴に多少なりともダメージが生じる可能性があります。靴屋の技術によっては釘が靴本体のつま先を傷つけてしまう可能性もあります。買ったばかりだとかなりのショックを受けますので処置前には慎重に判断してください。
それでも、私はメリットのほうが大きいと思います。
ゴム底(ラバーソール)
ゴム底は雨や水に強いですが、通気性が非常に悪くなります。ただし、底のすり減りは革底と比べると非常に遅く、経済的です。
また、湿った地面では滑りにくい利点もあり、天候や場所問わずオールマイティに使えるのが特徴だと思います。
見た目は革底と比べると高級度は落ちますが、フォーマル度とは関係ない個人の好みの問題ですので気にしなくて構いません。
革底派でも、1足は雨用としてゴム底で靴本体には防水スプレーをかけた靴を使用する、という選択肢もあります。
革靴の手入れ
革靴は常にメンテナンスが必要です。また、ビジネスパーソンとして常にピカピカで綺麗な靴を履くことは義務だと思いましょう。
汚い靴を履いて成功した人はいない、と言われています。それほど、靴の見た目は重要だということでしょう。
革靴の磨き方などはインターネットや動画などで勉強してみてください。はっきり言って色々な方法がありますので自分に合ったやり方を覚えることをお勧めします。
私は米国紳士靴メーカーのAllen EdmondsがYouTubeに上げている動画を参考にしました。
靴を買うと同時にメンテナンス用品も揃えておくことをお勧めします。
- シューツリー
- ブラシ
- サドルソープ
- 革靴クリーム
- ワックス
シューツリー
革靴の形状を崩さないためにシューツリー(Shoe Tree)を靴に入れて保管することをお勧めします。
木製の靴の形をしたもので、プラスチック製もあります。
ブラシ
ブラシは必須アイテムです。埃や小さい汚れを取るのに便利で、基本的には履いた日にはブラシをかけておきましょう。
また、靴クリームを塗った後にブラシで擦って、磨いて光沢が出す時にも使用します。
馬毛と豚毛があります。一般的に馬毛は埃落とし、豚毛は靴にクリームを塗った後に革に馴染ませたり、光沢を出す時に使用されます。豚毛のほうが馬毛と比べると毛が固いです。
最初のブラシは馬毛をお勧めします。私は馬毛ブラシのみしか使っていませんが、埃落しやクリームを塗った後にも問題なく使えています。
サドルソープ
サドルソープ(Saddle soap)とは革専用の石鹸のことです。革靴が非常に汚れた時などに使用します。
水を張ったバケツの中に革靴をドボンと入れてから、サドルソープで泡立ててブラシで洗う方法もありますが、私は面倒なのでサドルソープに数滴の水を垂らして、生地にサドルソープを付けて、革靴を拭くようにしています。
革靴クリーム
靴に保湿を与えて綺麗にする革靴クリームは必須です。皮膚と同様に保湿がないとカサカサして最悪ひび割れが発生します。
色の付いないクリームであればどの色の革靴にも使用することが出来ます。また、色が付いたクリームは、補色するために使用することもできます。
黒いオックスフォードシューズは常に黒光りして綺麗に見せる必要があるため、私は黒い靴クリームを塗っています。
塗り方にも色々な方法がありますが、一般的には革靴クリーム用の布を用いて塗る方法かと思います。私は布を使わずに、直接指でクリームを塗っています。
革の手入れ用品としてミンクオイルが有名ですが、ミンクオイルは革への浸透性が強く、革が柔らかくなり過ぎて型崩れの原因にもなるので注意が必要です。ミンクオイルは固いブーツを柔らかくするなどには効果的ですが、ドレスシューズでは使うシチュエーションがほとんどないのでは、と思います。
ワックス
ワックス(Shoe Wax Polish)は主につま先部分に光沢を出して磨くために使用されます。
ドレスシューズはつま先が「命」ということで、ワックスで磨いて磨いて艶々に光らせると高級感が増し、そのままショーケースに置いて眺めていたい気持ちになります。
反面、せっかく綺麗にピカピカにした靴を履きたくない、という気持ちも出てきてジレンマを感じることも。。。
まとめ
まとめです。
- 革靴はビジネスパーソンの必須アイテム
- フォーマル度に合わせて革靴を履きましょう。
黒>茶
オックスフォードシューズ > ダービーシューズ > スリップオン
シングルカップ > プレーントゥ/ウイングチップ - 黒のオックスフォードシューズがフォーマル度が最上位で、最初に買う靴として一番最適
- 革靴を買ったらメンテナンス用品も揃えましょう
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